| さよなら蒲原鉄道 乗車記 | |
![]() 村松駅停車中の電車 |
自宅を早朝出発し大宮から1番列車に乗り込んだ。黒磯、郡山と乗り継ぎ磐越西線に入る。会津若松から乗ったのはキハ110型の気動車。気動車に乗るのも久しぶりの気がする。喜多方で多くの観光客が下車、車内はひっそりとした。喜多方を過ぎると車窓に山深い景色が見えるようになった。福島県から新潟県に入り新潟の平野が見え出すとの日の目的地、五泉に到着した。実は五泉には以前訪れたことがある。そのときもやはり蒲原鉄道が目的であった。ここで昼食を済ませた後、寒さをしのぐためいったん駅舎の中に入る。ここの駅舎はJRとは別々になっているが、蒲原鉄道のそれはすこしくたびれているように見えた。中に入り窓口にいた初老の女性から切符を購入する。券売機もあるのだが、窓口で買うと昔懐かしい厚紙でできた切符(硬券)が出てくる。ここで購入したのは、終点村松までの乗車券と隣りの今泉までの乗車券、入場券と今は廃止になった狭口駅の縁起入場券であった。 出発時間が近くなってきたので跨線橋を渡ってホームへ向かう。出発10分を切っており写真も取りたかったので少し急いだ。既に1両の電車がポツンと止まっていたが、モハ71というこの電車、見るからに年季が入っている。乗客は地元の人に混じって鉄道ファンと思しき乗客も結構いた。写真を撮ったりしていると出発時間が迫ってきた。14時13分、1両の電車は五泉を後にした。電車はすぐ右へカーブして単線の線路を走った。電車はは「ゴーッ」という昔ながらの吊り掛けモーターの音を響かせている。唯一の中間駅、今泉に到着。ホーム1本の無人駅でホームにバス停も見られた。数人の乗降があってそれが済むと電車は発車した。進行方向右側には2車線の道路が並行していて結構交通量が多い事が車内から伺える。こうしてゆっくりとしたスピードでの旅も14時21分、村松に到着。五泉からのわずか8分という短い旅だった。私は下車して改札に向かった。改札の出口の上にある鬼の面が目に入ってきた。これを見ながら改札にいた駅員にここまで使った硬券の乗車券を記念にもらえないか、と聞くと「どうぞ」といったのでありがたく頂いた。 村松の駅はこれが2度目。のんびりとした旅のわりに駅舎はコンクリートの立派な建物だ。中には売店もある。 さて、ここからどうしようか。このまま来た道を戻るのも悪くないが、ここから信越本線の加茂まではバスが出ておりこれで行く事にする。14時40分、加茂行きのバスは数人の乗客を乗せて出発した。しばらく村松の市内を走ったバスは町を離れると車窓からはのんびりとした風景が見え出した。それに連れて乗客も降り始め、途中で私一人になってしまった。風景も短調になりいつしか睡魔が襲うようになった。しばらくうとうととし目が覚めると、「狭口」というバス停に止まった。先ほど五泉で買った縁起入場券の駅があったところである。そう、このバスはかつての村松ー加茂の廃線後に沿って走っているのである。雨交じりの天気の中、15時20分バスは終点加茂駅に到着した。(終わり) |
※ 管理者が大学生だった'93年の8月に同鉄道を訪れました。この時の記録を当時在籍していた大学の鉄道研究会の会報誌に掲載しております。→ おまけのページ |
|